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【FX1分足ブレイクアウト】理論編② チャート分析
FXでの取引において、チャートの分析は非常に重要な作業です。
チャートにラインを表示されることで、各時間足の環境認識を行い、他のトレーダーがどのようなポイントを見ているか、またどのような所に注文が集まっているのかを予想できるのです。
つまりは、そのチャートをみて他のトレーダーの動きを予測して、流れに乗るための下準備になります。
今回はこの手法【FX1分足ブレイクアウト】における、チャートのラインの引き方を紹介します。
えむた
FX歴は16年以上になります。
主にスイングやリピートトレードで利益を積み重ねています。
昨年よりデイトレードを攻略するため検証を繰り返し、ようやく手法の形として実戦で使えるようになりました。
2024年3月より、本口座にて実証しています。
1分足ロジカル分析手法(今までの記事一覧)
チャート分析
この手法【FX1分足ロジカル分析】では、チャートは移動平均線と水平線・斜め線を引いて各時間足の環境認識を行います。
この記事ではチャート分析にメタトレーダー4を使用していますが、主に使用するのが水平線や斜め線、フィボナッチなどですのでほとんどのチャート分析アプリで使用可能です。
チャート分析で相場の環境認識をすることは、勝つために必ず必要になります。
チャート分析はただラインを引けばよいというものではありません。
手法に合ったラインの引き方があります。
チャートにラインを引く目的
為替のチャートにラインを引く目的は、他のトレーダーがどこの価格帯、どこのチャートパターンに注目していくかを把握するためです。
為替トレードは買うか売るか2択しかありません。
どの通貨ペアも買い手と売り手が綱引きをしている状態です。
参加者はスインガーもいれば、スキャルパーもいますので、見ている時間足、注目している価格帯も変わってきます。
最近ではクウォンツ取引などで、コンピュータが高速で取引するシステムもあります。
そのさまざまな相手が注目している価格帯、パターンを見つけ出してトレードに利用するためにチャートにラインを引いていくのです。
チャートにラインを引くは、ラインを判断基準にして相場の状況を見るためです。
そのラインはみんなが注目しているか、ラインを利用して他のトレーダーはどのように利益を出そうとしているのかを考えます。
各時間足の役割
この手法では5種類の時間足を使います。
時間足 | 用途 | 使用目的 |
1分足 | 執行足 | エントリー チャートパターンの認識 |
15分足 | 監視足 | エントリー準備の判断 チャートパターンの認識 |
1時間足 | 環境認識 | レジサポ・トレンドライン チャートパターン |
4時間足 | 環境認識 | チャートパターン | レジサポ・トレンドライン
日足 | 環境認識 | レジサポ・トレンドライン チャートパターン |
チャートの時間足には環境認識・監視足・執行足の3種類があります。
上記の一覧の通り、日足・4時間足・1時間足はチャートの環境認識を行うためのものです。
環境認識を行った上で、15分足でチャートを監視して、エントリーチャンスを探します。
15分足でエントリーチャンスを確認出来たら、1分足でエントリータイミングを計ります。
環境認識で相場状況をつかみ、監視足を監視してエントリーチャンスを探します。
エントリーチャンスが見つかったら、執行足でエントリーの準備をします。
つまりこの手法で重要なのは15分足と1分足です。
ラインを引くタイミング
チャートの形は時間と共に変化していくので、チャートのラインも引き直す必要があります。
各時間足のラインの見直しのタイミングをざっくりと表にしました。
時間足 | 引き直しのタイミング |
1分足 | エントリー前から終了まで |
15分足 | トレード中 |
1時間足 | 週末・毎朝・ラインブレイクやパターンが出た時 |
4時間足 | 週末・毎朝・ラインブレイクやパターンが出た時 |
日足 | 週末・ラインブレイクやパターンが出た時 |
基本的に環境認識をする日足・4時間足・1時間足は、為替取引がクローズした土日を利用して新しく引いておきます。
そして朝とトレード前には、引いたラインがブレイクされていないか、チャートパターンが崩れていないか、新しいパターンが現れていないかをチェックします。
そして監視足である15分足は、当日のトレード開始時にチェックします。
筆者はロンドン時間からトレードを開始するので、15時前には一度全ての通貨ペアで15分足と1時間足をチェックします。
そして15分足でエントリーの準備ができたと判断したら、1分足でエントリーの位置を探します。
詳しくは”FXと時間(タイムスケジュール)”の記事で紹介しますが、FXの取引タイミングはかなり重要です。
毎日朝には、チェックしたラインがブレイクされていないかを確認し、15時のロンドンタイム前には15分足を再チェックします。
環境認識をする時間足のライン(日足・4時間足・1時間足)
各時間足に引くラインは基本的には、目立つ高値、目立つ安値、トレンドライン、チャートパターンになります。
それでは実際のチャートにラインを引いてみます。
下のチャートはEUR/USDの1時間足チャートです。
これにそれぞれのラインを引いてみます。
高値と安値は今見ている時間足で、現在価格がまだ突破していない高値と安値に水平線を引きます。
トレンドラインは直近の動きがトレンドをつけている場合に引いておきます。
トレンド定義はダウ理論に従います。
そして直近の形がチャートパターンを作っているかどうかを確認します。
このチャートでは1時間足は上昇型ウェッジ(ダイアゴナル)を作っています。
またウェッジの5波天井付近で三尊形を作っているのがわかります。
この大きさなら、三尊は15分足でチェックすることになります。
ここでは、個々のチャートパターンを詳しくは説明しませんが、この時間足を見ている限りでは三尊のネックラインと上昇型ウェッジのトレンドラインが重なっている部分に注目したいです。
きっと他のトレーダーも注目するポイントだと思います。
ダウ理論は、長期の株価チャート分析に使用するため、チャールズ・ダウによって考案されました。
株価分析として使用されていましたが、現在はFXや暗号資産など、あらゆるチャート分析で使用されています。
特にトレンドの定義に関しては、全てのテクニカルトレーダーが参考にしていると言っても過言ではありません。
内容は説明しませんが、6つの基本原則を紹介します。
- 平均株価は全ての事象を織り込む(全てはチャートの値動きを見ればわかる)
- トレンドは3種類ある(チャートはフラクタル構造である)
- トレンドは3段階からなる(推進波は3段階、調整波は2段階ある)
- 平均は相互に確認される(複数の市場の相関性を確認する必要がある)
- トレンドは出来高でも確認される
- トレンドは転換の明白なシグナルが出るまで継続する
この中で⑤は株価の分析手法で、FXにおいてはあまり必要ないと考えています。
基本的な理論ですが、チャート分析される方には必須となる考え方ですので、興味があれば是非学んでください。
ダウ理論やエリオット波動などは、トレーダーとして一度は勉強した方がいいと思います。
丸暗記する必要はないですが、重要な所だけでも押さえれば、あなたのトレードスキルは格段に上がります。
あなたのトレード判断能力を大幅に鍛えるエリオット波動研究
監視足のチェック(15分足)
先ほどのチャートを15分足でチェックしてみましょう。
上昇型ウェッジの右端で、チャートが三尊形を作っているのがわかります。
三尊のネックラインとトレンドラインで価格が反発しているのが確認できますね。
このようにラインが効いているかどうかは、ラインに対するローソク足の反応で確認します。
15分足が環境認識の足と違うのは、エントリーの準備をするかどうかを判断するためです。
15分足の高値と安値を当日のロンドンタイムに超えてくれば、1分足でエントリーの準備をします。
このチャートの場合は高値を超えれば、ウェッジの上抜けと三尊の否定が確定します。
安値を割り込めばウェッジの下抜けと三尊の成立が確定します。
チャートパターンの通例だと、下抜けの確立が高そうです。
後は価格が、どちらかのラインをブレイクするまで待ちます。
では、高値と安値の水平線ブレイクの判断はどうするのでしょうか?
監視足はトレードする時に、監視するチャートにになります。
15分足で条件を満たすのを確認出来たら、いよいよ1分足でエントリーの準備をします。
水平線ブレイク(突破)の判断
①は論外ですね、水平線の売りが効いていると判断できてしまいます。
②を採用しているトレーダーも多いと思いますが、これも15分足ではダマシになる可能性が高いです。
③はかなり確度が高まるため、採用しているトレーダーも多いかもしれません。
しかし、筆者は①~③のどれも突破とは見なしていません。
この手法では1分足の形を見て、エントリーを決めます。
下のチャートは4月25日にレジスタンスラインをブレイクしてからエントリーするまでのチャートです。
レジスタンスラインを上に抜けたので、1分足に切り替えて戻りが付くまで待ちます。
重要なのは押し戻りがトレンドをつけるまでは待つことです。
トレンドライン(もしくは切り下げライン)をつけるまでは、チャンスに見えてもエントリーしません。
もしトレンドラインが引けてもレジスタンスライン下まで価格が下がったり、上昇のトレンドライン(黒のライン)を割り込むようならエントリーを再検討します。
エントリーできる状態にあっても、リスクリワードが悪くなっている場合もあります。
ハッキリといいますが、待てなければ勝てません。
1分足エントリーで押し戻りを取るため、売り手と買い手の勝負が決まってからエントリーしても決して遅くありません。
トレンドラインが引ければ、ブレイクの際の利確と損切りの位置がわかります。
下のチャートは実際のエントリーパターンの例です。
15分足で注目のラインを突破してきたら、1分足でエントリーチャンスを探します。
ただし、この時に上位足(1時間~日足)のサポートやレジスタンスが近い場合はエントリーしません。
そちらのラインの方が注目度を高いために、思ったような相場展開が期待できないからです。
チャートに引くライン
チャートに引いたラインには、様々な意味があります。
特に1分足などの短い足でライン際を狙うには、他のトレーダーがそのラインを見てどう判断するかを考えながら引いてください。
チャートは見るトレーダーによって、売りが優勢だと感じる人もいれば、逆に買いが良いと思う人もいるでしょう。
売り買いが活発になり、勝負がついた瞬間を狙うこの手法【FX1分足ブレイクアウト】では、ラインを見ているトレーダーがどう判断するのかを理解することが勝負のキモになります。
ここでは、少しラインについて考えてみましょう
ラインを引くときのコツ
環境認識のラインを引くときのコツとしては、なるべく多くの高値、安値が含まれるライン引くことです。
そのためにローソク足のヒゲなどを無視して引く場合も多々あります。
筆者は必要ならローソク足の実体を無視してラインを引くこともあります。
要するにラインはその周辺に売り買いを予定しているトレーダ―が多く、すでにエントリーしているトレーダーの利確や損切があるサインです。
その周辺に近付けば売り買いが加速するゾーンであると考えてください。
注目の価格帯やラインの周辺では市場の参加者が増え、保有ポジションと損切りの設定が増えていきます。
勝負がつくと負けた側の損切が消化されるため、勝った側の方向に価格が大きく進みます。
本手法では、この戦いには参加しません。
勝負がついた後の加速を1分足で狙います。
ラインの引き方にはトレーダーのこだわりがでますが、神経質になる必要はありません。
ヒゲの先でないと引けないとか、実体に振れてはいけないとか筆者は気にしていません。
どうせ配信業者によってチャートの形状は変わってくるので、ライン周辺に相場の勢いが加速するエリアがあるくらいに思ってちょうどいいと思います。
ラインの強弱
ラインには強さの違いがあります。
まず時間足が長い方のラインが強く、信頼度が高くなります。
1時間足より4時間足の方がラインの方が強力です。
さらに斜め線よりも水平線の方が信頼度が上がります。
斜め線は使用するFX業者により、全く違う線が引けたりします。
これはFX業者のスプレットの差やその広がりが違うために起こる現象です。
水平線で特にキリ番(100や50など)に置かれたものは信頼度が高いです。
またトレンドラインは注目度が高いのですが、切り上げ・切り下げラインは信頼度が下がります。
FXの中級者でもトレンドラインと切り上げ・切り下げラインを間違えている人がいます。
トレンドラインはチャートの波の高値(安値)に引いていくラインです。
切り上げラインは、高値(安値)に引くときれいにラインが引けない時に、トレンドの角度に合わせて引くラインです。
ラインの波の見方によっては、切り上げ(切り下げ)ラインもトレンドラインとして使う場合もあります。
実チャートでは下のようなラインは切り上げラインになります。
上昇トレンドの形が悪く、トレード判断が難しくなるため、ラインの信頼度は低めです。
チャートにはきれいな形、汚い形があります。
上昇トレンドでも、きれいな形の方がトレードがやりやすくなります。
たとえばエリオット波動の基本形はすごくきれいな形で、多くのトレーダーがチャンスを狙うでしょう!
まとめ
チャートの環境認識のためのラインの引き方については以上になります。
後は引いたラインで実際に環境認識を行っていきます。
環境認識については、実際のチャートにラインを引きながらどのようにエントリーまでもっていくのかを次回の記事で紹介します。
チャートへのラインの引き方や、環境認識は非常に重要です。
この手法のラインの引き方や環境認識は、トレードの生命線なので次回はエントリーを決めるまでの流れを見てもらえたらと思います。