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【FX1分足ブレイクアウト】理論編⑩ ロット数と資金管理
前回までの記事で環境認識からエントリーそして利確・損切までの一連の流れを説明しました。
ここからは、FXに勝つための重要な考え方について紹介していきたいと思います。
今回は、ロット数と資金管理について紹介します。
FXにおいてエントリーから利確・損切に至るまでは、資金を増やすための”攻め”です。
それに対して資金管理は資金を減らさないようにする”守り”です。
”守り”を考えずに”攻め”一辺倒では、あなたの資金は簡単になくなってしまいます。
それどころかメンタルをやられて、まともな判断ができなくなってしまいます。
正しく判断し、資産を守るには資金管理の考え方は絶対です。
えむた
FX歴は16年以上になります。
主にスイングやリピートトレードで利益を積み重ねています。
昨年よりデイトレードを攻略するため検証を繰り返し、ようやく手法の形として実戦で使えるようになりました。
2024年3月より、本口座にて実証しています。
FX1分足ブレイクアウト(今までの記事一覧)
手法の基本ルール - 手法の基本ルールを紹介
チャート分析 - チャートの環境認識が勝利への第一歩
ラインの引き方 - この手法で戦うためのラインの引き方
セットアップ - エントリーするための条件確認
水平線突破の判断 - ライン際の攻防を1分足で見る
突破後のエントリー - ブレイクアウト後のエントリー判断方法
押し目・戻り目の形 - 信頼度の高い押し目買い・戻り売りとは
利確と損切り① - スプレッドと損切の位置
利確と損切り② - チャート信頼度と利確の位置
ロット数と資金管理 - エントリーするロット数の管理方法
FXと時間(タイムスケジュール) - FXで取引すべき時間帯とは?
投資家心理で考えるFX
チャートを動かすもの
チャートの形を知る
レポート02 EUR/JPY 24′ 8月12日 レジスタンスブレイクからの押し目買い
レポート03 EUR/JPY 24’ 8月14日 米CPI発表後のブレイクを押し目買い
レポート04 USD/JPY 24′ 8月15日 米小売売上高発表後のブレイクを押し目買い
レポート05 USD/JPY 24’ 8月21日 長期下目線の戻りを15分足で戻り売り
レポート06 USD/JPY 24′ 8月23日 パウエル砲炸裂!急落局面の戻り売り
レポート07 USD/JPY 24′ 8月27日 下落型フラッグ完成からの戻り売り
レポート08 USD/JPY 24′ 8月30日 下落型ウェッジ完成からの押し目買い
資金管理の考え方
FXでの投資はリバレッジを利かせられるため、リスクの高い取引をしてしまいがちです。
しかしリスクを取りすぎると、いくら良いトレードをしていても資産を全て失う可能性も大きくなります。
では、どの程度のリスクを取るのが良いのでしょうか?
1回の取引での損失を1%以下で考える
FXの投資において、1回のトレードでの最大損失額は、総資金の1%から2%に設定するのが一般的だと言われています。
【FX1分足ブレイクアウト】のような超短期取引では1%以下に設定するのが妥当です。
これはFXの口座にある金額を100万円だとすると、1回のトレードで失う最大損失が1万円になります。
FXではまず生き残ることが重要です。
相場で経験を積み、リスクリワードや勝率を上げていけば自然と資産は増えていくでしょう!
資産が増えれば、最大損失許容額は自然と増えていきます。
もっと早く稼ぎたいと焦るのは逆効果です。
FXは1回のトレードで資産を数倍にすることも可能ですし、破産することも可能です
ギャンブルではなく、投資としてFXを利用するなら資金管理は必須です
心理的に負担のない金額に設定する
FXでエントリーした結果が気になって、チャートに張り付いたりしていませんか?
”このトレードに負けたら、1万円が減ってしまう!、1万円あればアレが買えたのに…”とか気になってしまうことは筆者もよくあります。
このような場合は、たとえ総資産の1%のリスクというルールを守っていても、明らかにリスクの取りすぎです。
トレードは感情という要素が入ってしまうと、”利益は少なく損益は大きく”なってしまいます。
チャートに張り付かないで、放置できる金額を最大損失額に設定しましょう。
ポジションが気になって、夜寝られないなんて事はよくあることです
そういった精神状態だと、論理的な思考ができないんですよ
FXの勝率を数学的に考える
FXでのトレードはリバレッジで原資の何倍もの取引が可能です。
資金効率はよいのですが、やりすぎるとだだのギャンブルトレードです。
FXでのトレードではまず生き残って、知識・経験を身に着けることが基本です。
まずは、この世界で生き残りましょう!
では生き残るための、具体的な勝率や1トレードあたりに使用できる資金や利益はどのくらいでしょうか?
数学的に考えてみましょう。
FXの勝率はどのくらい?
あなたはカジノに行ってルーレットで稼ごうとしています。
赤か黒かだけを単純に予想する場合、買った場合のリターンは2倍で負けた場合は0になります。
ルーレットには0と00という店側の取り分があるため、一回の勝率は47.37%になります。
つまりは何も考えずに資金をつぎ込んでいった場合は、回数が増えるほど勝率は47.37%に収束していくのです。
つまりはルーレットは長期的には必ず負けるようにデザインされているのです。
そのため勝つために、ディーラーのクセを見抜き、投資資金を調整する(マーチンゲール法)などで確率にゆがみを生じさせる必要があります。
ではFXの場合はどうでしょうか?
FXでのトレードは上がるか下がるかの2択、つまり50%ですがスプレッドとスワップという手数料が発生します。
【FX1分足ブレイクアウト】はデイトレードなので、スワップは考慮する必要はありません。
しかし短期に薄い利幅を狙うためにスプレッドによる負担が大きくなります。
例えばUSD/JPYのスプレッドはOANDAでは”3”になります。
一回のトレードで10pips程度の利益を狙いリスクリワードが1の場合、何も考えずにトレードした場合に手数料込みでの勝率は約47%です。(勝ち負けどちらかで決着がついた場合)
他の通貨ペアはスプレッドも大きく、勝率はさらに下がってしまいます。
考えなしでトレードすれば最終的には資金を全て失います
そうならないためには、勝率を上げるか、リスクリワードを上げるかしかありません
バルサラの破産確率で考える勝率
バルサラの破産確率とは、投機やギャンブルで破産する可能性を計算する方法です。
例えば、あなたが何かのゲームに資金を投資するとします。
何回もゲームを繰り返すと、どれくらいの確率でお金が全部なくなるかを計算するのがバルサラの破産確率です。
この計算を使ってFXでドル円に投資した場合の破産確率を計算してみました。
ドル円のスプレッドを”3”として、1トレードの勝率は手数料込みで47%に設定します。
※トレードに引き分けはなく、必ず勝つか負けるかの結果が出るまで続けることとします。
〇 リスク2%の場合
資金に対するリスクが2%の場合の破産確率は以下のようになります。
リスク2%とは100万円の資金があった場合、1トレードで2万円の資金がなくなるリスクがあるということです。
この場合は勝率50%でリスクリワードレシオ1.2あれば、破産する可能性はなくなります。
〇 リスク5%の場合
資金に対するリスクが5%の場合の破産確率は以下のようになります。
リスク5%とは100万円の資金があった場合、1トレードに5万円の資金がなくなるリスクがあるという事です。
この場合は勝率50%でリスクリワードレシオ1.2を維持しても破産確率は3.6%あります。
FXで長期的に勝っていくためには、1トレードに対するリスクは2%以下設定する必要があるのが証明されます。
資金を守る事で経験を積み、勝率を上げていけばリスクを増やす事も可能になります。
ちなみに上記の表は、ドル円をトレードした時のリスクで他の通貨ペアをトレードした場合はさらに破産確率が上がります。
筆者は現在は自己資金の0.7%程度のリスクでトレードするようにしています。
リスク管理は徹底しましょう!
負けているとロットを上げたくなりますが、根拠を持ってロットを計算しないと最終的には退場することになります
ロット数を調整する
最大リスク金額が決まれば、その金額を基準にしてロット数を計算することになります。
ロット数は状況によって計算が変わってくるため、チャートを見ながらエントリーまでに準備しておく必要があります。
1分足は動きが早いため、エントリーの可能性が出てきたら、ロット数の計算をしておきましょう。
ただし計算はざっくりでかまいません。
細かな計算をしても、チャートの動きにより予定通りにならないですし、多少のズレは問題ないのです。
ドル円・クロス円場合
USD/JPYやEUR/JPY、GBP/JPYなどのクロス円の場合は計算は単純になります。
ドル円・クロス円は1万通貨あたりで1pipsで100円の損益が発生します。
上の図のような大きな戻り売りを❶と❷の2か所で狙う場合で考えてみましょう。
図にある時点で、下落した時のロット数をあらかじめ計算しておきます。
厳密に計算するなら❶と❷の平均値に通貨スプレッド分を考慮する必要がありますが、ざっくりとしたロット数計算でかまいません。
エントリーから損切までの位置が約10pipsだとすると、10pipsでの損失が5,000円程度になるにはどのくらいのロットでエントリーできるかを計算します。
最大損失が5,000円なら5万通貨まで使用できますので、❶と❷を2万5000通貨づつでエントリーします。
ドル円の場合はスプレッドが狭いために考慮していませんが、小さな戻りを取る場合やスプレッドの大きな通貨ペアの場合はスプレッドの分も計算に入れます。
1分足は動きが早いので、ラインをブレイクする動きが見えたらすぐにロットを計算しておきましょう!
ドルストレートの場合
EUR/USDやGBP/USDなどのドルストレートの場合はUSD/JPYのレートを計算に入れる必要があります。
ドルストレートは1万通貨あたりで1pipsで1ドルの損益が発生します。
エントリーから損切までの位置が約10pipsだとすると、10pipsでの損失が5,000円程度になるにはどのくらいのロットでエントリーできるかを計算します。
最大損失が5,000円なら3.3万通貨まで使用できますので、❶と❷を1万6000通貨づつでエントリーします。
ドルストレートの場合はスプレッドがある程度ひらいてしまいます。
OANDAの場合はEUR/USDで0.5~0.7、GBP/USDで0.8~1.0のスプレッドがあります。
もし1pipsのスプレッドがあった場合、上記の場合だと最大損失が480円上乗せされることになります。
もし損切までの距離が10pipsより小さくなるようなら、あらかじめ1pips程度を最大損失にプラスしておきましょう。
ドルストレートはドル円のレートにより計算が変わってくるので、より早い対応が必要です!
まとめ
今回はエントリーするロット数と資金管理について紹介してきました。
FXでもっとも重要なスキルのひとつが資金管理です。
どんなに良い手法でどんなに豊富な資金を運用しても、資金管理ができてなければ全て失ってしまうでしょう。
またメンタルをコントロールする上でも、資金管理は重要です。
きちんと管理して、微益でかまいませんので資金を増やしていきましょう!
さて、次回はFXのタイムスケジュールについて紹介します