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【FX1分足ブレイクアウト】理論編③ ラインの引き方
前回はFXの環境認識のためのラインを引く考え方について紹介しました。
今回は実チャートにラインを引きながら、実際に筆者がやっている方法を紹介したいと思います。
状況の変化による環境認識については、実戦報告などで紹介していきますので参考にしてください。
また環境認識の方法は、使う時間足や手法によって変わってきます。
今回はこの手法【FX1分足ブレイクアウト】で使用する、チャートの分析方法になります。
えむた
FX歴は16年以上になります。
主にスイングやリピートトレードで利益を積み重ねています。
昨年よりデイトレードを攻略するため検証を繰り返し、ようやく手法の形として実戦で使えるようになりました。
2024年3月より、本口座にて実証しています。
FX1分足ブレイクアウト(今までの記事一覧)
手法の基本ルール - 手法の基本ルールを紹介
チャート分析 - チャートの環境認識が勝利への第一歩
ラインの引き方 - この手法で戦うためのラインの引き方
セットアップ - エントリーするための条件確認
水平線突破の判断 - ライン際の攻防を1分足で見る
突破後のエントリー - ブレイクアウト後のエントリー判断方法
押し目・戻り目の形 - 信頼度の高い押し目買い・戻り売りとは
利確と損切り① - スプレッドと損切の位置
利確と損切り② - チャート信頼度と利確の位置
ロット数と資金管理 - エントリーするロット数の管理方法
FXと時間(タイムスケジュール) - FXで取引すべき時間帯とは?
投資家心理で考えるFX
チャートを動かすもの
チャートの形を知る
レポート02 EUR/JPY 24′ 8月12日 レジスタンスブレイクからの押し目買い
レポート03 EUR/JPY 24’ 8月14日 米CPI発表後のブレイクを押し目買い
レポート04 USD/JPY 24′ 8月15日 米小売売上高発表後のブレイクを押し目買い
レポート05 USD/JPY 24’ 8月21日 長期下目線の戻りを15分足で戻り売り
レポート06 USD/JPY 24′ 8月23日 パウエル砲炸裂!急落局面の戻り売り
レポート07 USD/JPY 24′ 8月27日 下落型フラッグ完成からの戻り売り
レポート08 USD/JPY 24′ 8月30日 下落型ウェッジ完成からの押し目買い
チャートのラインの引き方
テクニカル分析をしているトレーダーは、様々なラインをチャート上に引いていまよね。
シンプルなチャートを好む人や、複雑な画面になってる人などいろいろあります。
【FX1分足ブレイクアウト】で引くラインは水平線と斜め線です。
水平線はブレイクアウトの判定で使用し、斜め線はトレンドの状況判断に使っています。
水平線を引くうえで重要なのが親波と小波の考え方です。
実際のチャート画面で引く前に、親波と小波について紹介します。
チャートの波の考え方
チャート分析で一番最初に行うのが、見ている時間足の”親波”と”子波”を発見することです。
チャートの価格は一方行に進み続けるのではなく、波を打つように上下にうねりながら移動していきます。
注目するのは、現在のトレンドを作っている子波とその直前の逆のトレンドを持つ”親波”です。
まずは現在トレンドが進行中の”子波”を見つけます。
そしてその前に発生している逆のトレンドの”親波”を見つけます。
親波は小波の価格をすっぽりと包み込める逆のトレンドの大きな波の事です。
図のように子波が下落トレンドの場合は親波は上昇トレンドになります。
小波は親波のサポートライン攻略しながら、下へと向かっていきます。
上図のような場合はまだ突破されていない親波の目立つ安値にサポートラインを引き、小波の目立つ高値にレジスタンスラインを引いていきます。
親波
親波の値幅は小波の値幅をすべて含む
親波のトレンド方向は子波の逆向き
下落トレンドの場合、親波の安値にサポートラインを引く
上昇トレンドの場合、親波の高値にレジスタンスラインを引く
子波
子波の値幅は親波の値幅の範囲内にある
子波のトレンド方向は親波の逆向き
下落トレンドの場合、子波の高値にレジスタンスラインを引く
上昇トレンドの場合、子波の安値にレジスタンスラインを引く
レジサポラインの引き方
まずはレジスタンスとサポートのラインを引きましょう。
図では下落トレンドになっていますが、その場合は現在のトレンド(子波)の目立つ高値に水平線(赤いライン)を引きます。
これがレジスタンスラインになります。
そして前回のトレンド(親波)の目立つ安値に水平線(青いライン)を引きます。
こらがサポートラインになります。
ちなみに子波でつけた直近の最安値は、この時間足ではサポートラインではありません。
ただし最安値の更新はトレンドの継続と考えられるので、注目しておきます。
トレンドラインの引き方
チャート上の波にトレンドライン(もしくは切り下げライン)を引きました。
この中で必要なラインは赤のラインです。
トレンドラインが突破されたラインは引かなくてもかまいません。
ただし”親波”のトレンドラインは参考にすることがあります。
トレンドライン上の安値は影響力が大きいため、ラインの影響力の強さを見る時に使います。
斜め線の利用方法はトレンドの強さの判定です。
トレンドラインが明確に突破されるまでは、現在のトレンドが継続していると考えて、そちらの方向に価格が進みやすいと考えます。
またトレンドライン上の高値・安値に引かれたレジサポラインは強い影響力があると思ってください。
【FX1分足ブレイクアウト】の手法ではトレンドラインなどの斜め線のブレイクではエントリーしません。
あくまでもトレンドの流れを見るために利用します。
チャートパターンを見つける
水平線、トレンドラインが引けたら、チャートパターンを見ておきます。
このチャートの場合は、”大きな波”を中心にしたトライアングル(三角持ち合い)が確認できます。
また下降型ウェッジも見られます。
【FX1分足ブレイクアウト】ではチャートパターンだけでエントリーすることはありません。
あくまでもパターンが出たらその方向に動く可能性があると認識するだけです。
トレンド転換の考え方(重要な水平線)
ここでチャートのトレンドライン上の高値・安値の重要性について紹介しておきます。
チャートの波は小さなトレンドを転換しながら進んでいきます。
チャート上でトレンド転換するサインは3つあって、3つ全てが完了すればトレンド転換と見なされています。
① トレンドラインを突破する
② トレンドの安値Ⓐを突破する
③ ②の安値を付けた後で、高値を更新できずに②の安値を突破する
①や②だけでは、トレンド転換は完全ではありません。
③が達成された時に初めてトレンドが変わったと見なされます。
ここで重要なのは”親波”の最初の高値・安値というのは、非常に重要なポイントになります。
「トレンドラインが突破されたからトレンド転換した」と考えてトレードするのは気が早すぎます。
長い時間足では、大きな目線で考えます。
ダウ理論は、長期の株価チャート分析に使用するため、チャールズ・ダウによって考案されました。
株価分析として使用されていましたが、現在はFXや暗号資産など、あらゆるチャート分析で使用されています。
特にトレンドの定義に関しては、全てのテクニカルトレーダーが参考にしていると言っても過言ではありません。
内容は説明しませんが、6つの基本原則を紹介します。
- 平均株価は全ての事象を織り込む(全てはチャートの値動きを見ればわかる)
- トレンドは3種類ある(チャートはフラクタル構造である)
- トレンドは3段階からなる(推進波は3段階、調整波は2段階ある)
- 平均は相互に確認される(複数の市場の相関性を確認する必要がある)
- トレンドは出来高でも確認される
- トレンドは転換の明白なシグナルが出るまで継続する
この中で⑤は株価の分析手法で、FXにおいてはあまり必要ないと考えています。
基本的な理論ですが、チャート分析される方には必須となる考え方ですので、興味があれば是非学んでください。
ダウ理論やエリオット波動などは、トレーダーとして一度は勉強した方がいいと思います。
丸暗記する必要はないですが、重要な所だけでも押さえれば、あなたのトレードスキルは格段に上がります。
あなたのトレード判断能力を大幅に鍛えるエリオット波動研究
実際のチャートにラインを引いてみる。
この手法で引くライン
環境認識に使うラインは、直近の目立つ高値と安値そしてトレンドラインです。
高値と安値は現在の価格の上下にある、目立つ高値と安値に水平線を引きます。
気になる価格が複数ある場合は、複数の水平線を引いてください。
トレンドをつけている場合はトレンドラインもしくは切り上げ・切り下げラインを引いておきます。
後はチャートの形状をよく観察して、チャートパターンをチェックしておきます。
ダブルトップ・ボトム、三尊、三角持ち合い、レンジ、チャネルなど、特徴のあるパターンは注目しておきます。
週足のライン
週足の環境認識は週に一回程度確認すればよいと思います。
15分足や1分足で行う、手法【FX1分足ロジカル分析】ではあまり利用する機会はありません。
週足では大きな下落の後で上昇に転じて、現在はトレンドレスの状態でレンジを組んでいます。
はっきりとした動きのない状況ですね。
週足でも親波と小波を探しておきます。
週足でも親波の上昇トレンドと小波の下降トレンドがわかりますね。
日足のライン
まずは日足で親波と小波を探します。
今回は週足で確認した波と同じですね。
日足は多くのトレーダーが注目しているチャートです。
日足の目立つ高値と安値、そしてトレンドラインを引いておきましょう。
日足トレンドは下方向についています。
売り圧の強い状況です。
引いたラインに価格が近付いたら、売り買いが激しくなります。
売りと買いが互角の戦いをすると、このライン近辺でレンジやチャートパターンを作ります。
その後で、売り買いどちらかが勝利して、損切を喰った勝者の方に価格が動きます。
日足のラインブレイクは、かなり大きなインパクトがあります。
4時間足のライン
4時間足はデイ~スイングトレーダーなら毎日チェックしています。
まずは親波と小波を探します。
親波は強い下落トレンドで、小波は上昇トレンドです。
4時間足の目立つ高値と安値、そしてトレンドラインを引いておきましょう。
トレンドは日足と同じく下についています。
チャートパターンを見てみると現在の小波の上昇波はフラッグの形を作っています。
4時間足のラインブレイクはデイトレーダーにとってかなりのインパクトがあります。
基本的にはライン周辺でのトレードは避け(チャートパターンでの攻略は別です)、売り手の買い手の勝敗が決まってから、買った方に乗るようにします。
1時間足のライン
1時間足はデイトレでは一般的な時間足です。
毎日チェックして、トレード中もライン周辺の戦いや、ラインブレイクには注目しておきましょう。
ここでも親波と小波を見つけます。
小波はこの時間足ではまだはっきりとしたトレンドは付いていないですね。
サポートは小波の目立つ安値に引いていきます。
特に注目のポイントは直近安値のトレンドラインとサポートラインの重なるポイントです。
ここを下抜けると4時間足でのチャネルを下抜けたことにもなり、強い下落になりそうです。
反発するなら、1時間足小波の上昇トレンドに戻りそうです。
環境認識の段階では、下落が強そうだとか上昇は弱そう程度の認識で大丈夫です。
この手法はブレイクする方向についていくので、環境認識は注目のポイントを探すための作業です。
チャートの環境認識
日足から1時間足のチャートを分析して、相場の大まかな方向性を考えておきます。
まずはトレンドの方向から見ていきます。
現在のEUR/USDの各時間足の環境を書き出しました。
時間足 | トレンド方向 |
週足 | レンジ |
日足 | 下落トレンド |
4時間足 | 上昇トレンド |
1時間足 | 下落トレンド |
日足と1時間足は下落トレンド、4時間足は上昇トレンドになります。
日足と4時間足の方向性が違う場合は慎重にトレードしましょう。
基本的にはどちらかラインを抜けた方向についていくことになりそうです。
この【FX1分足ブレイクアウト】手法トレードの場合は、短期間でトレードが終了します。
トレンドやトレンド転換のブレイクアウトのエネルギーを確認してから、トレードする手法なので決め打ちせずに、予想と反対方向のトレンドが出た場合も直近のトレンドについていきましょう。
各時間足でラインブレイクが出たら、そちらについていく方向でチャートを俯瞰しましょう。
では環境認識は何に使うのでしょうか?
実は利確位置の選択に使用します。
トレンドが出て勢いよく伸びそうなら強気の利確位置を、トレンドの逆にブレイクしたなら弱気の利確位置を選択します。
ラインを引いている所を動画で確認しましょう
今回のEUR/USDのチャートにラインを引く作業を動画にまとめました。
実際にメタトレーダー4を使用して引いていますので、どんな引き方をしているのか見てもらえたらと思います。
チャートにラインを引きながら、注目度の高いラインやチャートパターンを探し出しましょう!
そのラインが有効かどうかはライン付近に価格が差し掛かった時の動きで判断します。
自分でも、他人でも、ファンダメンタルでもなく、チャートの動きを信用するのが基本です。