この記事は広告を含みます
【DeFi】Uniswapの流動性プールで暗号資産を投資してみました(実践編)
Uniswapなどの分散型取引所(DEX)では流動性プールに暗号資産を預ければ、誰でも簡単に手数料収入を得る事が可能です。
しかしどのくらいの費用が必要で、どの程度のリターンがあるのかは、実際にやってみないとわかりません。
今回、筆者は実際に流動性プールに投資して、ガス代(手数料)の支払いから、手数料収入を得るまでを実際に体験してみました。
前回の記事で、投資するための準備が終わったので、今回は実際に投資を行った場面から、収入を得るまでを紹介します。
実際に儲かるのかしら?
前回の記事を見ていない方は、準備編を先にご覧になってください。
流動性プールに投資するために必要な4つのポイント
Uniswapの流動性プールに投資をするためには、基本4つのポイントを決める必要があります。
- 貸出す暗号資産のペア
- 手数料レベル
- 価格範囲
- 預け入れる数量
前回の記事“準備編”ではこの4つを決めました。
貸出す暗号資産のペア | ETH、USDC |
手数料レベル | 0.3% |
価格範囲 | 1,100~3,500 |
預け入れる数量 | 250USDC |
これらの情報を元に実際に流動性プールに投資してみます。
Uniswapでの流動性プールの投資にはイーサリアム(ETH)を使用しますので、暗号資産取引所で買ってウォレットに送ってください。
準備編で決めたポイントで投資するのね!
流動性プールに投資してみた
それでは実際に流動性プールに投資してみます。
Uniswapのアプリを立ち上げて、ウォレットを接続します。
必要な暗号資産を交換で手に入れる
ウォレットにはETHしか入っていないため、必要となる250USDCをETHと交換します。
Uniswapのメニューから“スワップ”をクリックします。
スワップの画面が表示されるので① ETHを選択、② USDCを選択、③ 250を入力します。
必要になるイーサリアム(ETH)が自動計算されます。
④ スワップボタンを押すと、“Review swap”で交換する内容について表示されます。
この時に必要となるガス代(手数料)がリアルタイムで表示されます。
⑤ “Confirm swap(スワップを承認)”をクリックすれば交換完了です。
この時にかかったガス代は0.005694ETH(約1,461円)です。
※円への換算は2023年6月1日のレートで行われています。
暗号資産の交換は手数料が必要なのね
流動性プールに投資してみた
Uniswapで、流動性プールの画面を出します。
メニューの“プール”をクリックし、次に“新しいポジション”をクリックします。
流動性を追加メニューが出てくるので、準備編で決めた内容を入力します。
貸出す暗号資産のペア | イーサリアム(ETH)、USDC |
手数料レベル | 0.3% |
価格範囲 | 1,100~3,500 |
預け入れる数量 | 250USDC |
情報を入力すると、ETHの数量は自動的に計算されます。
入力に間違えがなければ、“プレビュー”をクリックします。
流動性を追加のウインドウが表示されるので、問題なければ“追加”をクリックします。
ここで暗号資産の移動が行われるので、トランザクション(取引)が発生します。
1つはUSDCの使用上限の承認、もう1つはETHの流動性プールへの移動です。
USDCの使用上限設定のガス代は0.002287ETH(約586円)、ETHの流動性プールへの移動は0.015076ETH(約3,868円)かかりました。
ちなみにETHには上限設定の必要はありません。
トランザクションが承認されれば、LP(流動性提供者)になることができます。
これで投資完了ね!
投資したプールの情報を確認しよう!
メニューの“プール”をクリックすると、先ほど貸し出した暗号資産のポジションが表示されています。
“ポジション”をクリックすると、利用している流動性プールの情報が見えます。
ここでは主に、2つの情報の確認とプールへの追加投資と解除を行うことができます。
手数料報酬はここで確認できるのね
貸出中の暗号資産の状態について
貸出した暗号資産は、Uniswapのユーザーの両替に使用されるため、常に数量が変動します。
例えば、イーサリアムの需要が高まったとします。
Uniswapのユーザーは持っているUSDCを価値の高くなっているイーサリアムへ交換しようとするでしょう。
交換にはあなたの貸し出している暗号資産が使用されるため、貸し出しているイーサリアムの枚数は減り、USDCの枚数は増えます。
逆に相対的な価値はイーサリアムが上がり、USDCは下がります。
手数料報酬の詳細
Uniswapのユーザーが、暗号資産の交換を行うたびに、あなたには手数料報酬が入ってきます。
ETHが買われればUSDCで手数料が支払われ、USDCが買われればETHで手数料が支払われます。
そのため、あなたは貸し出している2つの暗号資産で手数料をもらうことになります。
この手数料収入は、貸し出している暗号資産とは別に保管されており、両替などには使用されません。
この手数料報酬を受け取るためには、ガス代が必要になります。
プールへの追加の投資と、投資の解除
プール情報右上のメニューからプールへの追加投資と解除を選択できます。
ただし、追加投資も解除もガス代が必要になります。
ガス代の支払いが多いような…
ETHを流動性プールで利用する際にwETHという書き方をされているのを見ることがあると思います。
「wETHって何?」と思われた方もいるでしょう。
Uniswapの流動性プールはERC-20トークンという、イーサリアムブロックチェーン上で稼働するトークンが使用できます。
実はETHはERC-20に対応していないのです。
そのためにETHはそのままでは、流動性プールで使用できません。
そこでETHを“WETH9”というスマートコントラクトを通じてwETHに交換して使用しているのです。
今回はwETHへの交換作業はプールへの投資で自動で行っているため出てきませんでしたが、プールで使用されているのはwETHです。
OpenSeaなどのNFTプラットフォームでも使用できるので、ご存じの方も多いと思います。
この交換には手数料やガス代が発生します。
wETHはETHと価格が連動しているため、常に同じ価値になるようにされています。
将来的には、ETHがERC-20に対応する予定があるみたいなので、wETHが必要なくなる日が来るかもしれません。
ちなみにBTC(ビットコイン)もERC-20に対応していませんが、wBTC(ラップドビットコイン)というビットコインと価格連動したトークンに交換することで利用可能です。
流動性プールに投資するためにかかった手数料
暗号資産はトランザクション(取引や移動)が発生すると、ガス代と呼ばれる手数料がかかります。
ガス代は一定ではなく、トランザクションの混雑の具合などにより価格が変わります。
また暗号資産の交換を行う場合には手数料が必要です。
初期投資に必要だったガス代
今回の投資を始めるのに必要な手数料は、以下の通りでした。
ETHをUSDCに交換 | 0.005694ETH(約1,461円) |
USDCの上限設定 | 0.002287ETH(約586円) |
プールへの投資 | 0.015076ETH(約3,868円) |
合 計 | 0.023057ETH(約5,915円) |
イーサリアムのガス代が高騰しているのは知っていますが、かなり高かったです。
投資をする初期費用で6,000円とられるのはかなり痛いです。
イーサリアムが、イーサリアム2.0にアップデート完了すれば、ガス代が安くなるとの事ですが…
早くアップデートして欲しいです。
ちょっと、ガス代高すぎない?
投資終了に必要だったガス代
投資の終了に必要な手数料は、以下の通りでした。
投資資金の引き上げ | 0.006636ETH(約1,659円) |
承認 | 0.0014680ETH(約367円) |
USDCをETHに交換 | 0.0039415ETH(約985円) |
合 計 | 0.0120455ETH(約3,011円) |
始める時よりは、安くなりました。
この投資全体の手数料は0.03509ETH(約8,772円)かかりました。
※2023年9月のレートで換算しています。
流動性プールでは、いくらぐらい稼げたのか?
今回は2023年6月1日に流動性プールへの投資を開始しました。
ETH(イーサ)に換算して、APR(年間利回り)を計算してみました。
投資開始から3カ月の結果
まずは、この2カ月のETH/USDCの動きをチャートで確認しましょう。
ETH/USDCの3カ月のチャートです。
この2カ月で1.625~2,034の範囲で動きがありました。
上下動しながら、ほぼレンジの動きです。
次にプールの手数料報酬を見ていきましょう。
【貸出している暗号資産の変化】
暗号資産 | プール利用直後 | 2カ月後 | 3カ月後 |
USDC | 249.9USDC | 204.8USDC | 182.1USDC |
ETH | 0.1553ETH | 0.1805ETH | 0.1941ETH |
合 計 | 0.2890ETH | 0.2999ETH | 0.3044ETH |
貸し出している暗号資産は、交換に使用されるため数量が変化します。
ETHの価値に換算しての貸出している暗号資産の増減を計算してみました。
3カ月で0.0154ETH(約3,850円)のプラスでした。
※円への換算は2023年8月30日のレートで行われています。
それでは手数料報酬でどのくらいの利益が出たのかを見ていきましょう。
【手数料報酬】
暗号資産 | 1カ月後 | 2か月後 | 3カ月後 |
USDC | 1.763USDC | 2.721USDC | 4.026USDC |
ETH | 0.0009491ETH | 0.001491ETH | 0.002332ETH |
合 計 | 0.00186ETH | 0.00273ETH | 0.00467ETH |
年利換算 | 7.1% | 5.2% | 5.9% |
手数料報酬の合計は0.00467ETH(約1,150円)でした。
※円への換算は2023年8月30日のレートで行われています。
初期投資が0.31411ETH(ガス代を含む)なので、3カ月の利回りは年利換算で約5.9%でした。
年間5.9%の利回りなら通常の投資なら悪くはないです。
しかし投資する手数料として0.023057ETH必要だったのを考えると、その回収だけでも1年以上かかる計算になります。
さらにインパーマネントロスでの損失額を計算に入れると、効率の良い投資とは言えないですね。
忘れてはいけないのは、流動性プールをやめる時と、報酬を受け取る時にもガス代が必要なことです。
それを計算に入れるなら、今回は投資額が少なすぎました。
やってみてわかった事も多いわね!
投資終了と最終結果
投資を始めてから3カ月目になり、投資を終了することにしました。
終了時の引き上げ資金は以下の通りです。
初期投資 | 投資終了 | |
ETH | 0.1553ETH | 0.1965ETH |
USDC | 249.9USDC | 186.284USDC |
初期投資合計(手数料を含む) | 0.31244ETH | 0.29756ETH |
手数料を含めて、最終的な損失は0.01488ETH(約3,720円)でした。
ETHが初期投資より下がった時点で、流動性を解除したため、思ったより損失は少なかったです。
今回の投資結果を考えると、やはり手数料に比較して、初期投資額が少なかったと思います。
初期投資を3カ月以内で回収するならば、初期投資は3ETHは必要になります。
またガス代は、今後ETH2.0になれば大きく改善が見込まれているので、それを踏まえて投資するのが賢明そうです。
また通貨ペアの傾向の違いから、wETH/wBTCなどのペアの流動性提供なども面白そうです。
まとめ
現時点では暗号資産やDeFiは、注目されながらも伸び悩んでいます。
その安全性や法律面の整備、その他様々な問題があり、一般への普及は進んでいません。
一部NFTやゲームでの使用に需要がある以外は、投資目的で買われているのが現状です。
しかしNFTマーケットへの大手の参入や、NTFゲームやメタバースの一般への普及と共に拡大していくと予想しています。
将来的には、コンビニでも利用できるようになるかもしれませんね。
そういった期待を込めながら、筆者は暗号資産を投資しています。